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フランスブルジョワのセンスが光るインテリアたち!もとは邸宅だった美術館

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初めまして。ワーホリ・語学留学を経て、今はフランス人パートナーとパリに住んでます。夢は田舎に家を買って自分でリノベーションして暮らすこと!

パリにはたくさんの美術館がありますが、その中でも今日はもともと個人の邸宅だった建物をそのまま美術館として公開している邸宅美術館を紹介します。

邸宅の装飾がそのまま美術館になっているので、当時のブルジョワのセンスあふれるインテリアや生活の様子が伺えます。
展示されているアート作品だけでなくブルジョワたちが使用した贅沢な調度品なども楽しむことが出来るのが邸宅美術館の大きなポイントです。

ヴェルサイユ宮殿のマリー・アントワネットの離宮、プチ・トリアノンなどが好きな人は特に楽しめるスポットかなと思います。

 

 

 

ブルジョワとは市民の中でも商業などで成功し富を得た人々のことで、貴族と労働者・農民の間に位置する階級の人々を指します。いわゆるお金持ち階級ということですね。 

ブルジョワたちは使い切れないほどの富で贅沢な邸宅を建設し、豪華な調度品や芸術品を収集しました。

そんな当時のブルジョワの生活をうかがい知ることができる邸宅美術館を紹介します。

ジャックマール・アンドレ美術館 / Musée Jacquemart-André

こちらは凱旋門から徒歩15分ほどのところにある美術館です。

後に美術館となるこの邸宅が造られたのは、パリの大規模都市整備、パリ改造の頃です。

当時の県知事オスマン氏は都市景観にもこだわって計画を進め、このパリ改造によりパリの街並みは大きく生まれ変わりました。

パリ改造の目玉として造られたのが凱旋門のまわりの環状道路とそこから放射状に伸びる12本の道路なのですが、ジャックマール・アンドレ美術館はその中の一つの道沿いにあります。

 

 

  邸宅の歴史

もともとはエドゥアール・アンドレ、ネリ・ジャックマール夫妻の第二邸宅として使用されていました。

エドゥアール・アンドレは銀行家として成功したブルジョワ一家のもとに生まれ、若い頃から芸術品の収集をはじめました。
そして1869年、パリ改造により生まれ変わったオスマン通りの一角に、後にジャックマール・アンドレ美術館となる第二邸宅を建設しました。

一方、ネリ・ジャックマールは決して裕福とは言えない家に生まれましたが、自画像画家として成功し、有名な芸術家となっていました。

エドゥアールが自画像をネリに依頼したことで2人は出会い、やがて結婚します。

夫妻は子供に恵まれなかったこともあり、共通の趣味である芸術品の収集に力を入れていきました。そしてそれらの芸術品を保管するために、第二邸宅を改築しました。

60歳でエドゥアールが亡くなったあとも、ネリは世界中を周りコレクションを充実させていきました。

そして1912年にネリが亡くなると、ネリの遺言に基づき、邸宅と夫妻が収集したコレクションは美術館として公開されることになります。

ネリは遺言の中で、美術館の公開にあたり作品の配置など細部まで自身の希望を書き残していたということです。

ネリのこだわりと夫妻の芸術品への情熱がつまった美術館は翌年1913年にオープンしました。

 

  美術館の見どころ

ジャックマール・アンドレ美術館のコレクションはイタリア ルネッサンス期の作品や18世紀のフランス、オランダの絵画が中心となっています。

「イタリア美術館」と名付けられた部屋にはドナテルロの彫刻やボッティチェリの絵画などイタリア街術科の作品が並びます。

夫妻が図書室として使用していた部屋や、舞踏会も行われた音楽サロンも、夫妻のセンスの良い調度品とともに贅沢な生活の様子が感じられます。

そして忘れてはいけないのが、「冬の庭園」と呼ばれる室内に造られた植物エリアと、そこから続く手すりの装飾が美しい階段です。
大理石を使用したこの階段は、邸宅のシンボル的存在で必見です。

 

 

ジャックマール・アンドレ美術館はカフェレストランも併設していて、こちらも邸宅の雰囲気を楽しめる空間になっています。

カフェレストランについてはこちらの記事をご覧ください。

 

INFORMATION

Musée Jacquemart-André - Site officiel - géré par Culturespaces, Paris

  158 boulevard Haussmann 75008 Paris(Google マップ  

 

ニシム・ド・カモンド美術館 / Musée Nissim de Camondo

大富豪のモイズ・ド・カモンドが自身が大好きだったモンソー公園のすぐそばに作ったのが、現在のニシム・ド・カモンド美術館となる邸宅です。

  邸宅の歴史

モイズ・ド・カモンドはイスタンブールでトルコ系ユダヤ人銀行家のもとに生まれ、両親とともにパリへと居住地を移しました。
その際に選んだのが、当時ロスチャイルドなど有名銀行家たちが多く暮らしていたモンソー公園周辺エリアでした。

両親の死後、自身が収集したコレクションを保管するためにモイズは邸宅を解体し新しく作り直します。

邸宅はマリー・アントワネットのプチ・トリアノンをモデルにして作られました。

モイズには2人の子供がいましたが、第一次世界大戦で息子のニッシムを亡くします。
あまりの悲しみに世間とは距離をおいて暮らすようになりますが、その後も芸術品の収集だけは情熱を注ぎ続けたそうです。

モイズの死後、邸宅とコレクションは装飾美術協会とフランス国家に寄贈され、息子への追悼の意を込めてその名を冠したニシム・ド・カモンド美術館として公開されました。

 

 
 
 
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  美術館の見どころ

モイズの収集したコレクションはその多くがフランスの装飾品で占められていました。

美術館の内部は、シンメトリーやバランスを好んだモイズのセンスが反映される形で作られていて、調度品や芸術品の価値だけでなくその配置などのこだわりにも注目です。

モイズたちの生活空間はもちろんですが、調理器具などが当時のまま残されたキッチンなども興味深いです。

 
 
 
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INFORMATION

Musée Nissim de Camondo

  Musée Nissim de Camondo 63 rue de Monceau 75008 Paris(Google マップ  

 

カルナバレ美術館 / Musée Carnavalet

パリで最も古い美術館であるカルナバレ美術館。

現在は残念ながら改修工事中で美術館を訪れることは出来ませんが、4年にも及ぶ工事はほぼ終了し、今年2021年5月29日に再オープンの予定となっています。

 

 
 
 
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  邸宅の歴史

カルナヴァレ美術館は、ルネッサンス期の貴重な建築物であるカルナヴァレ館と1989年に統合されたル・ペルティエ・ド・サン・ファルゴー館からなります。

カルナヴァレ館はパリ市議会議長、ジャック・デ・リニュリの邸宅として1548年に建設されました。パリで最も古い邸宅の一つです。

1660年には有名建築家フランソワ・マンサールによって改築され、その後1677年から1696年は、著名な作家セヴィニエ夫人が住居としていました。 

このして何人かの手を渡り歩いたあと、1866年、当時パリ改造を進めていた県知事オスマン氏の提案によりパリ市が館を買い上げ改装し、美術館となりました。

1989年にル・ペルティエ・ド・サン・ファルゴー館が統合され、現在の形となります。

 

 
 
 
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  美術館の見どころ

パリの発展を知ることができるコレクションがたくさん展示されているカルナヴァレ美術館。

ルイ16世とマリー・アントワネットのゆかりの品も多く展示されており、世界史好きには見逃せないコレクションが揃っています。例えば、国王一家が幽閉中に使っていた家具や身の回りの品などがあります。
さらになんとマリー・アントワネットの毛髪が入った指輪とペンダントトップも展示されています。これはかなり貴重な品です。

また、貴族邸宅の内装を移築したという、きれいなブルーの壁が印象的な「ルイ16世の青のサロン」は必見です。

改修工事はファサード、中庭、床の改築や展示作品の修復に多くの時間が費やされているとのこと。

改修後のきれいな姿も楽しみですね。

 

INFORMATION 

Page d'accueil | Carnavalet

  23 rue de Sévigné 75003 Paris(Google マップ  

 

まとめ

ブルジョワたちが暮らした邸宅の内装や豪華できらびやかなインテリアがそのまま見られるので、女性は特に楽しめる美術館だと思います。

パリ旅行の際はぜひ行ってみてくださいね。