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眠れる森の美女のモデルになったお城「ユッセ城」

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初めまして。ワーホリ・語学留学を経て、今はフランス人パートナーとパリに住んでます。夢は田舎に家を買って自分でリノベーションして暮らすこと!

先日、ロワール地方へ週末のプチ旅行に行ってきたので、そのときに見たお城のうち、今回はユッセ城を紹介したいと思います。

 

その他のロワール地方のお城や街はこちらの記事で紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。

 「古城とワインの街!フランス ロワール地方に行ってきた」  

 フランスの最も美しい村とロワールの古城、ソミュール城  

 中世芸術の宝庫「ランジェ城」とフランスの最も美しい村  

 ルネサンス様式の美しい館アゼ・ル・リドー城とフランス人にも人気の街ロシュ  

 

今回の週末旅行で訪れた場所をマップにまとめたので、位置関係など知りたい方はぜひチェックしてください。

 

 

 

 

眠れる森の美女のモデルになったお城「ユッセ城」

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▲ユッセ城

眠れる森の美女のモデルになった「ユッセ城」。

名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
外観はおとぎ話に出てくるお城そのままで、とても優雅でロンチックな雰囲気です。

世界遺産「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」にも含まれています。

 

現在のユッセ城が出来上がるまで

ロワール地方の多くのお城はルネサンス期に建造されたものですが、ユッセ城はそれよりもずっと以前に建てられたもので長い歴史があります。

 

ユッセ城が建てられたのは11世紀の初め頃。要塞として建てられました。

その後、1440年にジャン5世・ド・ビュエイユが結婚の際にユッセ城を譲り受けます。彼とその息子アントワーヌは、軍事的機能を残しながらも快適な住居となるよう、お城の増築を行いました。

しかし経済的に困窮したアントワーヌはお城を売却し、フランス国王の侍従を努めたジャック・デピネの手に移ります。

イタリア ルネサンスの影響が出てきた時代だったため、要塞としての機能は徐々に取り除かれ、純粋な邸宅へと変わっていきました。重々しい雰囲気だった要塞は、多くの装飾が施され華麗な城へと姿を変えました。
息子のシャルル・デピネはお城の隣に礼拝堂まで建設しました。

しかしシャルルの息子ルネ・デピネも経済的に苦しくなり、お城を売却します。

 

次にお城はシュザンヌ・ド・ブルボンの手に渡りますが、それ以降も何度も所有者が変わり、1659年にルイ・ベルナン・ド・ヴァレンティネが領主になります。 

当時は太陽王ルイ14世の豪華絢爛な宮廷の影響で、住みやすさと威厳を全面に表した建築が人気でした。
そういった要素を取り入れ、南回廊の整備、大階段を含む西館の改修と別館の建設が行われました。

庭園の設計にはヴェルサイユ宮殿の庭を作った庭師アンドレ・ル・ノートルが、テラスの設計にはルイ14世に仕えた軍人で建築家のヴォーバン元帥が携わりました。
この頃に、ユッセ城に魅せられた童話作家のシャルル・ペローは、お姫様が目覚める城をユッセ城として「眠れる森の美女」を書き上げたそう。

 

フランス革命を経て1807年、お城はデュラス伯爵夫人の手に渡り、その娘フェリシ・ド・デュラスが西の居住部に沿ってネオゴシック様式の回廊を建設、前庭から正面を改修し、現在の姿になりました。

 

子供がいなかった彼女は甥のベルトラン・ド・ブラカにお城を譲り、現在もお城はブラカ家が所有しています。

1975年から一般公開されているユッセ城ですが、ブラカ家は今もお城の中に住んでいるそう!

 

ユッセ城の見どころ

礼拝堂

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▲礼拝堂

シャルル・デピネによって造られた礼拝堂。

そっと佇む白い礼拝堂はまるで別世界の建物のような雰囲気です。

 

ルネサンス様式の建築ですが、小尖塔やアーチ型の天井などゴシック様式の装飾と組み合わせて作られています。

正面にはシャルル・デピネ(Charles s'Epinay)と妻リュクレス・ド・ポン(Lucrèce de Pons)の頭文字 CL が型どられています。壁には死をテーマとした建築装飾が施されています。

ブラカ家は今も洗礼や葬儀などをこの礼拝堂で執り行っているそう。

 

城内

お城の中は当時の装飾がそのまま残されていて、その頃の暮らしぶりを感じることが出来ます。

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▲衛兵の間

衛兵の間には当時の武器なども展示されていました。

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▲ヴァーボンの間

こちらはヴァーボンの間と呼ばれる部屋。

青い壁にピンクのカーテンとおしゃれなインテリアの間に、衣装を着たマネキンが配置されていました。

このマネキンたちが来ているのは1920年代から40年代に作られた洋服です。
個人的には今のユッセ城のスタイルが完成した1800年代とは全く違う時代のものだし、部屋の雰囲気を台無しにしている気がして、少し残念に思いました🤥

これは2021年の特別展で、二つの世界大戦の間の女性のファッションをテーマにしているそうです。展示の仕方が違ったらもっと良かったな〜と思いました。

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▲大階段

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▲食堂

プレートとカトラリーがセットされた食堂。

こちらのマネキンはユッセ城の時代に合わせた衣装を来ているみたいです。
これは展示というよりは雰囲気作りのためのもののようでした。

 

この他に旧食堂、控室、王の寝室などが見学できました。

 

 

眠れる森の美女の塔

お城の最も古い部分にある巡回路には、眠れる森の美女の場面が再現されています。

巡回路の入口はお城の見学入口とは別になっていて、お城の見学入口のすぐ近く左側にあります。

 

入口を入るとすぐ階段になっていて塔を登っていきます。

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▲眠れる森の美女の一場面

 

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▲眠れる森の美女の一場面

するとこんな感じで、眠れる森の美女の物語のシーンがマネキンで作られています。部屋の中には入れず、ガラス窓から眺める感じです。

再現度やクオリティーは個人的には「・・・😶 」という感じでしたが、小さな子供たちは大興奮しながら部屋を回っていました。お姫様に憧れる年頃の子供には楽しいかもしれません。

 

再現シーンの部屋は屋根裏まで続いていて、思ったよりもだいぶ広いです。

屋根裏では数百年も前に作られた骨組みを見ることも出来ます。

演出なのか管理不足なのか、屋根裏は古い家具が雑多に置かれていてとてもリアルで、蜘蛛の巣もそこらじゅうに張っていました(笑)

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▲お姫様が目を覚ました場面

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▲眠れる森の美女の魔女

最後にお姫様が目を覚ますシーンと魔女の再現部屋を見て終了です。

 

その他にも庭園と菜園、地下室、厩舎、牢獄と、見学場所はたくさんあります。
各施設はそれほど大きくはないのでサクッと見て回ることが出来ます。

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▲庭園

庭師アンドレ・ル・ノートルが手がけた庭園は、幾何学模様になっていてお城の雰囲気にぴったりでした。
わたしたちが行った時はまだ花が咲いておらず少しさみしかったですが、きれいに咲いている時期はとても華やかだろうと思います。

 

ルネサンス期にはエキゾチックな果物が流行り、このユッセ城でもオレンジ畑を作っていたそう。
その時のオレンジの木はまだ残っており、中には200年以上経つものもあるそう!
写真の中の白い鉢植えの木がオレンジの木です。

 

information

営業時間
2月14日〜3月31日:10:00〜18:00
4月1日〜9月30日:10:00〜19:00
10月1日〜11月14日:10:00〜18:00
入場料
14€
8歳〜16歳:5€
8歳未満:無料

 

最後に

ユッセ城は尖塔がたくさんあって、いかにもおとぎ話に出てくるお城という感じでとってもすてきでした。

内部の展示はイマイチな部分もありましたが、それを帳消しにするくらい外観はすばらしかったです。

ロワール地方を訪れるならぜひ見てほしいオススメのお城です。