パリの超おすすめ美術館!穴場のジャックマール・アンドレ美術館
chaco
初めまして。ワーホリ・語学留学を経て、今はフランス人パートナーとパリに住んでます。夢は田舎に家を買って自分でリノベーションして暮らすこと!
以前にもこのブログでおすすめの邸宅美術館の中で紹介したジャックマール・アンドレ美術館ですが、久しぶりに美術館に行って、やっぱりこの美術館はすてき!と思ったので、今日改めて紹介したいと思います。
邸宅美術館について知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
フランスブルジョワのセンスが光るインテリアたち!もとは邸宅だった美術館
また、美術館併設のジャックマール・アンドレカフェもかなりおすすめです。
カフェについてはこちらでメニューなど詳しく書いているので合わせてどうぞ。
フランスらしさたっぷり!パリのすてきレストランCafé Jacquemart-André
では改めてジャックマール・アンドレ美術館について詳しく書いていきます。
邸宅の歴史
ジャックマール・アンドレ美術館はもともとエドゥアール・アンドレ、ネリ・ジャックマール夫妻の邸宅でした。
エドゥアール・アンドレは銀行家の裕福なブルジョワ一家に生まれ、若い頃から芸術品の収集をはじめました。
一方、決して裕福とは言えない家に生まれたネリ・ジャックマールは自画像画家として有名になっていました。
エドゥアールがネリに自画像を依頼したことで二人は出会い、やがて結婚します。
全く違う世界で生きてきた二人でしたが、芸術という共通の趣味により、充実した結婚生活を送ります。
二人は子供に恵まれなかったこともあり、芸術品の収集に力を入れました。
そして、膨大な量のコレクションを保管する場所として邸宅を改装し、現在のジャックマール・アンドレ美術館の建物が出来上がります。
60歳でエドゥアールが亡くなった後も、ネリは世界中を回りコレクションの収集を続けました。
1912年にネリが亡くなると、邸宅は二人のコレクションごと美術館として公開されることになります。
これはネリの遺言に基づくもので、遺言の中には作品や調度品の位置まで細かい指示が記述されていたということです。
邸宅の持ち主の希望を最大限に取り入れた形で、邸宅はジャックマール・アンドレ美術館としてオープンしました。
ジャックマール・アンドレ美術館は、芸術を愛した夫妻の思いが詰まった美術館なのです。
美術館の見どころ
Grand Salon
まずは美術館に入ってすぐの大きな空間。
壁から天井まで、美しい装飾が施されています。天井一面に描かれた絵画も息を呑む美しさです。
Salon de Musique
grand salonの右手にある部屋がsalon de musique、夫妻が音楽室として使用していた部屋で、当時は舞踏会なども行われていたそう。
この部屋は第二帝政時代の代表的な装飾で整えられています。赤い壁と濃い色の木製の家具が特徴です。
二階まで吹き抜けになっていて、美しい天井画も見ることが出来ます。
一見、赤の壁など派手な装飾がなされているようですが、大きな窓から光が差し込み、広々として居心地がよくいつまででもこの部屋にいられそうです。
Jardin d'Hiver
salon de musiqueを通り抜けると、美しい螺旋階段とたくさんの植物が置かれたjardin d'hiverがあります。
日本語で「冬の庭園」と呼ばれるこの空間には、当時流行ったエキゾチックな植物が置かれています。
隣のsalon de musiqueとはうってかわって、大理石が使用された重厚ながらも明るい空間です。
天井がガラス張りになっているので、庭園いっぱいに光が差し込んでとっても気持ちがいいです。
冬の庭園は左右対称に作られた階段へと繋がっています。
この階段は美術館のシンボル的な存在です。
当時は建物の中心に階段を置くのが主流でしたが、あえて建物の奥に設置したのだそう。
大理石をメインに使った重厚な造りにも関わらず、手すりの繊細な装飾やフレスコ画によって、幻想的な雰囲気に仕上がっています。
螺旋が美しく何度も上り降りしたくなってしまう階段です。
見学順路を間違えてしまって、この階段を2回通ったのですが、やっぱり何度通っても美しいと思いました。
ここには彫刻などが置かれているのですが、建物に見事に馴染んでいて、展示品と言うよりも本当に邸宅時代の調度品のままという感じです。
Musée Italien
musée italien(イタリア美術館)は名前のとおり、イタリアの芸術品が展示されているスペースです。
フロレンティーナとヴェネチアンという2つの部屋に別れています。
ネリは特にイタリア フィレンチェの芸術に関心を持っており、フロレンティーナの展示室はチャペル型の霊廟をイメージして作られたそう。
ネリのイタリアコレクションの中でも最も貴重なものが置かれています。
言われてみれば教会などで見かけるイスのようなものや棺のようなものがありました。
ヴェネチアンはエドゥアールの好みが最も反映された部屋です。
ヴェネチアと北イタリアの作品が展示されています。
当時はフィレンチェ芸術が流行していたため、ヴェネチア派は少数だったそうですが、エドゥアールはヴェネチア芸術がお気に入りだったそう。
Salon Privé
美術館の一階ではプライベートな空間が公開されています。
壁一面にタピスリーが飾られたタピスリーの間です。
タピスリー以外のインテリアや天井画も美しいです。
エドゥアールやネリはこの書斎に仕事関係者などを招き入れていたそう。
特徴的なのは、よくある仕事部屋などのようにかしこまった雰囲気で機能面を重視した部屋ではなく、夫妻のお気に入りの調度品などで装飾されていること。
壁紙も淡いブルーで明るい空間です。
確かに仕事部屋と言うよりも寝室のような落ち着いた装飾です。
1階の一番奥にあるのがネリが寝室として使用していた部屋で、現在は図書室となっています。
ルイ14世時代のスタイルでまとめられた部屋には、17世紀のオランダの絵画を中心に展示されています。
この他にもまだ展示室があるのですが、それはぜひ実際に訪れて見てほしいです。
どこも本当にすてきで夫妻のセンスの良さが感じられます。
特別展もおすすめ
ジャックマール・アンドレ美術館の特別展はいつも人気で、週末には入場するのに列ができるほどです。
特別展の題材が、アートに詳しくない人でも入りやすいテーマなのがいいなと個人的には思います。誰でも聞いたことがあるような有名な画家だったり、アートジャンルだったりするので、見やすいです。
現在はポール・シニャック展が行われています。7月26日までです。
今回わたしはシニャック展が見たくて久しぶりにジャックマール・アンドレ美術館に行ったのですが、特別展示室は平日でもなかなか混んでいました。
わたしは絵画に詳しくはないですが、シニャックのきれいな色使いがすてきでした。特に個人的には淡い色を使っている作品が好きです。
シニャック展の次は、9月10日からボッティチェリ展が開催予定です。
INFORMATION
公式サイト:Musée Jacquemart-André - Site officiel
158 Boulevard Haussmann, 75008 Paris
最後に
ジャックマール・アンドレ美術館は本当にどの展示室もすてきで見応えがあって、パリの美術館の中でもかなり好きな美術館です!
ジャックマール・アンドレ美術館の他には定番のオルセー美術館が好きなのですが、美術館の建物自体の装飾なんかも含めると、やっぱりジャックマール・アンドレ美術館が1番かも。
定番の美術館ではないので、知らない方も多いと思うのですが、パリに来たらぜひぜひ訪れてほしい美術館です。